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インド事報・インド徒然 ―――――― by はぐれ雲さん
☆ 韓流ビジネス好調〜動けぬ日本企業 ――――――― 2010/03/10
ムンバイ飛行場からムンバイ市内中心地を結ぶインド初の「海上高速道路」の
一部は昨年7月に開通した。

今週、第2期工事(3.6km・4車線)の受注者が決定されるが、リライアンス
インフラストラクチャーと韓国現代エンジニアリングの共同受注となることが
確実視されている。

日本企業が応札しているかは定かでないが、韓国勢のインド攻勢は年々強まっ
ている。発電所建設関連でも動き始めている。

インドに於ける韓国企業のビジネス展開は、その規模とスピードで日本企業と
は大きな差がある。

韓国のサムソンとLGは、家電白物ではインド国内市場ではダントツの地位を
享受しており、携帯電話でもノキアに次ぐ2位・3位のシェアを持っている。

現代自動車は、昨年よりインドを自動車の輸出基地と位置づけ、昨年は約30
万台の輸出実績を作り、インド有数の輸出製造企業となっている。鉄鋼大手の
POSCO も、土地買収問題で難航しているが、年産1200万トン規模の製鉄所
を建設する。

インド政府の韓国に対する評価は高い。

そして今回のマハラシュトラ州の公共事業の受注、韓国企業は着々と地歩を固
めつつある。更に、インド・韓国はインド・韓国貿易協定を締結し、2010
年1月から発効している。インド・韓国間の貿易量も急速に拡大するだろう。

日本政府はDMIC(デリー・ムンバイ間産業大動脈構想)を旗印に、対インド
支援・投資への積極性を示しているが、遅々として進んでいないのが実態であ
る。

DMICとは、デリー・ムンバイを結ぶ1483kmの貨物専用鉄道を敷設し、
鉄道の両側150kmの地域を工業団地に適したインフラを整備する、という壮
大なプロジェクトである。

JBICは昨年、インドインフラ金融公社と「総額7500万ドルのDMIC
構想推進の為のプロジェクト開発ファンド(PDF)の設立」を目的とする「金
融契約」を締結した。現在FSを実行している筈である。

このプリジェクトの一部受注を狙って多くの日本企業がインドに進出準備中で
ある。だが、政治家や関係省庁・官僚、JBIC・JICAなどと、実働部隊
であるべき民間企業との連携は殆どないというのが現状である。

FSを終了した後、どうする心算なのか?

韓国の場合、官民合同でプロジェクトに取り組む。トップ・セールスも多い。
困難な政治的交渉には在インド韓国大使や総領事がそれ相応の役割を果たす。

韓国政府の要請があれば、即座に韓国企業によるコンソーシアムも形成される
だろう。1企業の資金力・資金収集力も大きいし、経営判断も決断も早い。

建設に関しては、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」建設で韓国の技術力は世界
に認知されただろう。

韓国に比べ、日本は官民バラバラ、省庁間バラバラ、民間企業バラバラ、政府
の要請があっても民間企業はなかなか動かない。内外でのコンプライアンスの
問題もある。

更に、巨大プロジェクト故に複数・多数の企業の参画が必要となるが、どのよ
うにコンソーシアムを形成し、誰がコンソーシアムリーダーになるのか? 誰
がリスクを負うのか?

日本では大企業といっても世界規模では中小企業、大きなリスクは負えない。
経済リーダー不在の国となっている。インド経営者の中には「リンギ(稟議)」
と言う日本語を知っている者が多い。中々結論が出ない理由に日本のビジネス
マンが「言い訳」に使うからだ。

日本政府は巨額なODAを供与すると明言しているが、現状から見て入札した
場合、韓国企業が受注する可能性もある。勿論、日本の技術を基礎としたFS
を行っているので、日本企業には有利になるだろうが、韓国企業にできる工事
も多いだろう。

DMICはインド7州にまたがる構想である。即ち、7州政府が絡んでくる。
日本流では7州政府を纏めるのも一苦労だろう。

大体、現在進めているFSは誰がやっているのか?

たぶん学者や‘自称インド専門家’などを集め、外注し、適当にやっているの
だと思う。本来なら、実力と実績がありDMICに興味を抱いている民間企業
から専門家を募り、中立性を誓う精鋭部隊で構成された組織を政府内に立ち上
げ取り組んでも良いぐらいの大規模な案件である。

このままでは、現在のFS終了後に再度FSになる可能性が大きい。

そして遅々として進まない。DMIC構想、構想が持ち上がってから既に4〜
5年も経過している。

このままでは、インドでは韓国の評価が急上昇、日本の評価は「インディアン
タイム」より遅い「ジャパニーズタイム」、時間がかかりすぎるのでやってい
けない…、ということになりかねない。2ヶ国貿易交渉も然り…。

韓国は、国内雇用対策の一環として政策的にインド戦略を早め、拡大している
気がする――――。

                        = この稿おわり =
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